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"書を書くこと、教えること" 荒木崇インタビュー


作家インタビュー5回目は荒木崇さんです。実は荒木さんは私が以前書道を習っていた時の先生でした(笑)
荒木さんの作品の魅力は何と言っても人間臭さです。それは詩人でもある荒木さんの詩を見ればよくわかります。今回は書を「書くこと」「教えること」の魅力を中心に様々な話をお聞きしました。

"書を書くこと、教えること" 荒木崇インタビュー

菱田篤司

January 08, 2020


ー書道はいつから始めたのですか?また、そのきっかけを教えてもらえますか?  

小3からですね。たしか自分からやりたいと思ったはず。でも楽しくはなかったです(笑)。地元の名士で非常に厳しい先生だったので。でも小6の終わりにその先生が亡くなって、一旦書道はそこでやめました。  
書を再開したのは社会人になってから。25歳くらいだったかな。  
新卒で学習塾に就職して、最初は授業や運営、生徒集めなど業務全般を4年ほどやっていて昇格もしたんだけど、退職してそこの塾のアルバイト講師になって4年くらい続けました。  
それと並行して書を趣味でまた始めたんです。教わっていたわけではなく、その時は詩人になりたかったので、自作の一行詩を筆で書いて、アート系イベントに出展したりして、その時は結構売れたんですよ。でも字が下手くそだと思って、もう一度書を学ぼうと思って、辿り着いた先が武田双雲さんだったんです。  
勤めていた塾の上司が独立して教育機関専門のコンサルタント事業を始めたので、アルバイト講師を辞めて、そこの社員になって10年くらい勤めていたんですけど、その社長が世界の名言とその解説のメールマガジンを毎日配信していたんですね。そこに感想のメッセージを送って来たのが双雲さんだったんです。その頃はまだ有名ではなく、書道家でこんな人がいるんだと思った程度だったんですけど、もう一度書を学ぼうと思った時にそのことを思い出して、双雲さんの教室に通うようになったんです。

ー先生自身が書道教室を始めたのはいつなのですか?  

2011年の4月にまず子供教室を始めて、大人教室を始めたのが2012年9月です。

ー書で食っていこうと思ったきっかけや時期を教えてもらえますか?  

子供教室だけの時はまだ副業だったので、大人教室を始めた頃ですね。元々塾講師もやっていたので人に何かを教えるのは得意なほうだったんです。サラリーマンに限界を感じていたこともあり、好きなことと得意なことを本業としてやっていこうと思いました。

ー私が教室に通い始めた当初は、自分は書家詩人だとおっしゃっていましたが今はどうですか?  

最近はだいぶ書家になってきたかな(笑)詩も書も自己表現ではあるんですけど、今は書の方が面白いし、仕事と直結していることもあるので書への意識の方が強くなっている。

ー創作は続けているのですか?  

当然やっていますが、最近は古典の勉強、クラシカルな書を勉強する時間が多いですかね。人に教えるためでもあるし、魂の込め方、線質など当然自分の作品にも良い影響があります。最近の創作テーマは「死」です。

ーなぜ「死」なのですか?

自分の子供が圧倒的な存在、生命力で迫ってくるから逆に死を感じることが多い。こいつが大きくなっていくということは自分が死んでいくことなんだということを強く感じる。

ーその「死」はネガティブな意味ですか、それともポジティブな意味ですか?  

生と死は反対ではなく同じという捉え方です。 そういう意味ではポジティブです。

ー死という作品をいいと思う人はいると思うんですけど、家に飾りたいと思う人はいますかね? (笑)  

私はいると思うんですけどね。同じように思っている人は絶対にいると思う。

荒木崇 死『死』非売品


ー確かに死を意識することによって生を感じる、生を充実させていかなければならないという良い影響、ポジティブな要素はありますよね。  
話は変わりますが、最近の先生のフェイスブックで小さい頃から教室に通っている生徒が高校で書道部に入ったり、書道部がない学校に書道部を作ろうと努力していたりとかしていることへの感動が書かれていましたが、この教える喜びというのも非常に大きいと思います。一方で作品 を作ることの喜びとの違いを教えてもらえますか?  

人が育っていくのを見ることができる喜びはやはり大きい。一方で作品を作ることは自己満足ですね。ただ、人の評価は関係ないという人もいるが、最近思うのはやっぱり人から認められるのはやっぱり嬉しいですよね。自分がいいと思っても全然評価されないこともあるけど(笑)

ー先生の詩はちょっと笑えたり、心に染みる言葉もたくさんあって、作品集にしたら良いと思う のですが、その予定はないのですか?  

昔出版の話も2回ほどあったんだけど、僕の詩を気に入ってくれた担当者は会議で「有名じゃな いから売れない」と却下されたらしい(笑) 自費出版も最近は安いからやりたいとは思うけどね。

ー影響を受けたり、好きな詩人はいますか?  

室生犀星高村光太郎は好きかな。それほど詩を読んでいる訳ではないですけど。

ー相田みつをはどうですか?  

見ないようにしてる。影響されるから(笑)

ー書で影響受けた、好きな作家はいますか?  

古典作家になっちゃうかな。う~ん現代作家では誰がいるかな…。最初は武田双雲さんに学んでいたので当時は影響も受けたけど。やっぱり井上有一には衝撃を受けましたし、影響もされました。柿沼康二さんも好きです。最近はsnsで発信している人も多いからそれも見たりするけど、とあるサラリーマン方がいらっしゃるんですが、その方は本当に凄いと思います。技術や知識もそうだけど、書に気迫がありますね。 

ー創作で特に意識していることは何ですか?  

余白、つまり白をどこに残すかは意識している。白いところをダメにしないことは考えてる。「心(出展している作品)」は下を空けて上に寄せたのも白を意識した。

荒木崇 心『心』-03

荒木崇 心『心』-02


当然墨の色も考えるね。最近は頭を使わないといけないなとは思うけど、最終的には無になっていることが多い。矛盾してしまうけど。かなりの数を書いて最後の1~2枚と決めた時に良い作品ができることは多い。僕は結構書き込むタイプ。

ー書の魅力、書くことの魅力と見ることの魅力を教えてください。  

書くことは「何でこんなに楽しいんだ」とは思う。アートとして考えると絵は時間がかかりす ぎるけど書は時間がかからないというのは短気な僕には合ってる。

ーでも納得いく作品を書くために、何十枚、何百枚と書くのであればトータルの時間はかなりか かっているので同じじゃないんですか?  

ああ、確かに(笑)。

ー同じ書く作業でも臨書と創作の時の魅力は違うと思うのですが。  

臨書は答え合わせ、答え探しみたいなものかな。問題を解いている感じ。吸収して再現できたときに喜 びを感じる。
創作は、出来上がりの良さももちろんあるし、自分が意図した通りの線が出たりすると嬉しいし楽しい。意図以上のものが出るのも楽しい。作品を書く際に頭の中に設計図はあるけど、偶然の要素が出てくるのも楽しい。偉い先生方になるとその辺りも全て予想できてしまうのかもしれないけど、僕はまだそんな達人の域には達していないので、だからこその楽しみかもしれない。

ー書作品を見ることの楽しみはどんなところだと思いますか?  

最近感じるのは良い作品は空気感が違うんだよね。魂というかオーラというか。説明できない オーラがある。そこは理屈じゃないんだよな。

ー私は毎日書道展などで最初は「どれもうまいな~」なんて思いながら何時間もかけてクタクタになりながらじっくり見てましたけど、今はかなり早いペースでサーっと見て、パッと目に止まった作品だけ足を止めてじっくり見ている。あれだけ上手い作品が並んでいる中で足を止めさせる作品のパワー、オーラって凄いなと思う。  


そういうのはあるよね。理屈じゃないよね。

ー今後の展望はありますか?やりたいこととか。  

古典的・伝統的な作品を書いて認められることかな。なぜかと言うと書道を教えている立場なので、そこは常に追求していかなければならないと思っているので。究極的にはずっと自分の好きなように作品を書いていたいですけどね(笑)

【後記】
荒木さんとは同じ年齢ということもあって、私が教室に通っている時から時々飲みに行くような関係だったが、今回はインタビューという機会で久々に話ができて楽しかった。冒頭でも書いたが良い意味での人間臭さが書作品にも表れていて、そこが荒木さんの作品の大きな魅力である。「書は人なり」と言われるが、魅力ある人間の書は魅力があると実感できる。ぜひ詩も見てみてほしい。その魅力にハマること間違いなしです(笑)

荒木さんの詩はInstagramでも見ることができます。

荒木崇作品一覧

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